☆日本受精着床学会☆

こんにちは。医師の藤城です。

 

7月20-21日に鳥取県米子市で開催された第35回日本受精着床学会に参加してきました。

学会ポスター

さまざまなシンポジウムや教育講演が行われ、また多くの研究内容が報告され、大変興味深かったです。シンポジウムでは、DOHaD説の演題が取り上げられていましたので、少し紹介させて頂きます。

DOHaD説とは「胎生期から乳幼児期に至る栄養環境が、成人期あるいは老年期における生活習慣病発症リスクに影響する」という説です。

具体的には、「胎児期に低栄養環境におかれた個体が、出生後、過剰な栄養を投与された場合に、肥満・高血圧・2型糖尿病などのメタボリックシンドロームに罹患しやすくなる」というものです。

今回のシンポジウムでは、胎生期、乳幼児期だけでなく、受精周辺期(排卵約3か月前から受精後2か月ごろ)の栄養環境が、将来的な生活習慣病発症リスクのみならず、さまざまな病態に影響する可能性について取り上げられていました。

また、高齢期にビタミンDが欠乏した場合は骨粗鬆症が、小児期に欠乏した場合はくる病*1や自閉症が、胎生期に欠乏した場合は骨格異常、低出生体重児、神経管閉鎖障害*2と関与する可能性が言われています。これに加え、生殖期に欠乏すると妊娠しにくくなったり不育に関与する可能性も言われています。

学会では睡眠の質が受精率に影響する可能性についての発表もありましたが、普段から栄養面や、睡眠などに気を付けることは、妊娠のためだけでなく、将来生まれてくる赤ちゃんの健康を維持する上でも大事なことだと思います。

 

夜は会場近くの皆生温泉に宿泊しました。 打ち上げ花火が上がりきれいでした。
夜は会場近くの皆生温泉に宿泊しました。
打ち上げ花火が上がりきれいでした。

 

<補足>

*1 「くる病」 カルシウムが骨に沈着せず、軟らかい骨様組織が増加して、骨の成長障害がおこったり骨格や軟骨部の変形がおこったりします。

*2 「神経管閉鎖障害」 脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)の一部が塞がり、脳や脊髄が正常に機能しなくなる病気です。